日本語デザイン研究会のメンバーで豆本作家のhokoriさんが、とてもかわいらしい組継ぎ本の豆本の試作をされました。
製本の作家さんの作品だけあって、しっかりとしたカバーがついたものを作ってくださいました。ソフトカバーでも通常の被せる形のものと、カバーの紙を長く取り本体に巻きつける形でケースにしたものがありとてもユニークです。加えて、ハードカバーを纏うものも作ってくださいました。組継ぎ本のハードカバーは初めての試みではないでしょうか。ご本人は「糸も糊も使わない製本というのが売りの組継ぎ本ですので、糊を使ったハードカバーはどうなのかなぁ」とおっしゃっていましたが、一つの形態として有用だと思います。
説明が後になりましたが、組継ぎ本とはラインラボの前田年昭さんが考案した本文を印刷した紙だけで製本ができる製本方式。小部数であれば手軽に作ることができる、真っ平らに開くことができる等のメリットがあります。
また、『文字の食卓』(本の雑誌社刊)で注目の正木香子さんによるエッセイ『花火の文字』が組継ぎ本様式の小冊子として発表され話題となっています。
この小冊子は大阪DTPの勉強部屋の宮地知さんが企画し、本文フォントにフォントワークスの筑紫書体で知られる藤田重治さん、組版にブログ「なんでやねんDTP」や雑誌で執筆される大石十三夫さん、朗読に女優の結城しおり(大倉壽子)さんらが参加し様々な展開が行われています。
■ソフトカバー
ソフトカバーA
本文に、別紙でジャケット(カバー)を被せてあります。
本文とは繋がっていません。
ソフトカバーB
本文の最後(もしくは最初)のページを長くして、
ぐるっと巻いてケースにしています。
ソフトカバーC
本文の最初と最後のページを長くして、
互いにかみ合うような形で組み合わせてケースにしています。
交差式製本という製本方式の表紙の部分を真似ています。
■ハードカバー
本文の最初と最後のページを見返しのきき紙として
表紙に糊付け使用しています。
日本語デザイン研究会では現在、組継ぎ本による展開を企画中です。このブログで発表していく予定ですのご期待ください。