8.21.2014

第1回セミナー「なの帳をつくって書体を学ぼう」終了レポート

2014年6月15日(日)、日本語デザイン研究会[中部]の第1回セミナーとして「『なの帳』をつくって書体を学ぼう」を実施しました。会場はレクサス高岳。

 ◉準備にあたって
これまで、名古屋・中部地区ではタイポグラフィに関するセミナーは、本当に少なかったため、この地区でタイポグラフィ関連セミナーへの、需要がどれくらいあるのかが見当がつきにくく、内容面でも初心者向けか、プロ向けにすればよいのか迷いました。今回は『なの帳』という素材を活かして、「組継ぎ本」の紹介と、初心者向けの書体解説ということでセミナーを企画しました。これなら、プロの方でも「組継ぎ本」という名古屋ではあまり紹介されてこなかった製本方法がが学べるので、収穫がゼロと言うことはないだろうと考えました。

フライヤーを作って、名古屋DTP勉強部屋や愛知県内のデザイン系の教育機関に配布したり、ブログやSNSで募集を募ったところ、愛知県外からの参加者もあり、当初予定していた20人という定員をオーバーする申込みで、うれしい驚きでした。


 ◉当日の様子
若干のキャンセル者が出たものの、25名の方に参加していただけました。参加者は豆本が好きな人、DTP関連の仕事の方、本格的にタイポグラフィを実践されているデザイナー、まったく別の仕事の方などバラエティに富んだ集まりとなりました。

第1部は松下さんによる、「組継ぎ本・なの帳制作」講座。松下さんは、日頃から豆本の講師をされているだけあり、複雑な組継ぎ本の解説もわかりやすく、スムーズに進行。参加者のみなさんは、やはりものを作ることが好きな方ばかりのようで、真剣な様子で制作に打ち込んでいました。途中、制作が上手くいかない方のフォローをしつつ、全員が無事に「なの帳」を完成させることができました。

会場として使用させていただいたレクサス高岳

セミナーの様子

第2部は私と的場さんによる「なの帳」に掲載された書体の解説。「組継ぎ本」形式で組み立てられる組見本を使用しながら、一つ一つの書体の基本的な解説と、それぞれの個人的な使用感・感想を交えつつ、進行しました。時間をオーバーしてしまい、全ての書体の解説が出来なかったことが心残りです。


 ◉ミニ懇親会
第2部終了後、せっかくなのでミニ懇親会という形で、会場内で名刺交換などを行いました。来場者の方には「よくぞ名古屋でやってくれた」という感想や、「楽しかった」というお言葉をいただき、開催してよかったと思いました。提出していただいたアンケートを読みつつ、次回の企画はもっとよいものにしたい、と考えています。

今後、名古屋で文字について語れる「場」をつくる第一歩となったと思います。


 ◉ダウンロードデータ
遠方で参加が難しかった方や、予定が合わなかった方のために「なの帳」PDFデータと組見本帳を近日中に公開いたします。もうしばらくお待ち下さい。