12.11.2014

「書体の誕生」展

前回のエントリでお知らせしたように、大阪で開催された「書体の誕生」展に参加しました。このイベントは大阪DTPの勉強部屋とフォントワークスの共同企画で、フォントワークスの書体見本、書体が出来るまでのストーリー、使用事例などで構成される「展示」と、祖父江慎さんと藤田重信さん(筑紫書体の設計者)の豪華対談をはじめとする、「講演」で構成された書体関連のイベントとしてはかなり力の入った内容です。

日本語デザイン研究会[中部]で展示制作を担当したのは、展示部分の「見本書体見本」と「筑紫オールド明朝の合成フォント例」の2つの展示です。
「合成フォント例」に関しては、こちらから提案しました。私にとって「筑紫オールド明朝」の漢字は、オールド系の仮名書体との合成フォントにおいて絶対に外せない重要な書体なので、それを沢山の人に知ってもらいたい、という考えがあったからです。

私が会場を訪問したのは2日目の11月23日。
会場に着くと、まず目に飛び込んできたの当研究会の展示である「見出し書体見本」の拡大ポスター。来春リリース予定の新書体「筑紫アンティーク明朝」が際立っています。

筑紫アンティーク明朝のインパクトが大きい見出し見本展示

大きな「おぅい」は筑紫丸ゴシックのAとBを見比べるためのもの

展示室に入ると、当研究会で制作した原寸のパネルがずらっと並んでしました。左側には写植機も置いてあり、奥にはデザイナーのインタビューや書体制作のストーリーの展示が。来場者はみんな真剣に展示を読まれていました。

展示ブース。手前が当研究会制作の書体見本パネル

筑紫オールド明朝を使用した合成フォント例

書体見本の展示パネルは、見出し書体としての使用を前提として、見比べてほしい書体や、個人的に重要だと思った書体を大きくしたりして、レイアウトで飽きさせない工夫をしてみました。組見本で使用した「おぅい」からはじまる例文はディケンズの短編なのですが、最初の「おぅい」がコミカルに見えたのか、一部では好評だったようです。実際には怖い話なのですが。

メインはやはり豪華な講演です。この日はソフトバンク・テクノロジーの関口さんのwebフォントに関するお話と、祖父江慎さんと藤田重信さんの対談だったのですが、聞くのに夢中になってしまい、ほとんど写真を撮るのを忘れてしまったことが悔やまれます。内容に関してはすでに他の参加者の方々がブログにアップしていたり、togetterにもまとめられていますので、そちらをご参照下さい。
私個人の感想としては、藤田さんの書体制作方法が意外と感覚的だったことが驚きでした。それと「書は苦手で全然上手くない。筆の動きをちゃんと理解していれば書体は作れる」という言葉が印象に残っています。
祖父江さんが「筑紫オールド明朝」を「これまでの明朝体の漢字とは違い、ひらがなに寄り添った漢字のデザインに驚いた」と話されたのは、「なるほど」と思いました。
関口さんには、webフォントユーザーとしての要望を直接お伝えできたのがよかったです。日本語webフォントは技術的にはどんどん進化しているので、今後の展開に期待したいです。webデザインは、紙媒体のタイポグラフィ世界から見ると「妥協と諦め」の世界ですが、その度合いも少しずつ解消されてゆくと思います。

全体的に非常に内容が濃い、充実したイベントでした。


◉ダウンロード
今回展示した、合成フォント見本のPDFデータをアップしました。
何かの参考にご活用いただけると幸いです。
ダウンロード


◉関連リンク(レポートなど)

大阪DTPの勉強部屋「書体の誕生」展 Facebook写真
「書体の誕生」展 — togetterまとめ
亀のぷいぷい — 講演の詳細レポート
FONTWORKS ニュース

◉関連リンク(2014.12.30 追記)

・FONTWORKS LETS 会員さまインタビュー
(大阪DTPの勉強部屋 宮地 知 様)

・503 DESIGN Garden



11.05.2014

「書体の誕生」展の展示に参加します



11月22日(土)から3日間、大阪で開催される「書体の誕生」展に、主催である大阪DTPの勉強部屋よりお誘いをうけて、展示に参加させていただくことになりました。今回は日本語デザイン研究会[中部]を代表して、主宰の加納佑輔が展示制作を行います。
23日・24日には、豪華な講演(要事前申込)も開催されますので、興味のある方は是非足を運んでみて下さい。

詳細は
http://www.osakadtp.com/?p=2621 まで

9.17.2014

合成フォントを身近にする、AcuCase Project

こんにちは的場仁利です。今回は、AcuCase Project(アキュケースプロジェクト)を発表させていただきます。また、合成フォントファイルAcu SansAcu SerifIllustrator用簡易版を掲載します。

2014721日の投稿「既に持っているフォントを、より美しく」へのレスポンスや日本語デザイン研究会の活動を通して、Adobe InDesignIllustrator等の機能である合成フォントがそもそもプロの間であまり使われていないことが分かってきました。

日本の文字は、漢字、平仮名、片仮名、英数字、約物・記号類といった複数の要素から構成されています。これらの要素の組み合わせを仕事によって模索することが日本語を扱うデザインにおいてとても大切なことです。とはいうものの、文章の中の一部の文字を選択して、フォントを変更することは手間がかかり、間違いの原因にもなるため現実的ではありません。したがって、合成フォントの機能を使わないで良い仕事をすることはできないと言っても過言ではありません。

そこで、日本語デザイン研究会[中部]では、合成フォントに関する発信を「AcuCase Project」(アキュケースプロジェクト)と名前を冠して、継続的に取り組むことにしました。
名前の由来は、どなたでも使っていただけることを意味するAnyone can use の頭文字から取ったAcuと、活字ケースを意味するCaseを合わせたもので「みんなのための活字箱」という思いを込めています。

今後、合成フォントファイルAcu Sans(アキュサンズ)Acu Serif(アキュセリフ)Illustrator用正式版、その他の組み合わせの合成フォントファイルの配布を中心に、合成フォントに関する発信を行います。みなさんの合成フォントへのはじめの一歩になれると嬉しいです。

◉ Acu SansAcu SerifIllustrator用簡易版【ダウンロード

※簡易版のため、InDesign版のように細かい約物・記号類まで調整されていません
※現代の文字使用を考えて、Nありのみにしました

〈合成フォントファイルご利用上の注意〉
・合成フォントファイルをはじめに開き、次に合成フォントを使って作成したい書類を開いて作業してください
・ご利用に際しては各工程でテストの上運用してください。事故が起きた場合の責任は負いかねます
・この合成フォントファイルは、改変しないでください
・再配布はお断りいたします

9.05.2014

DTPの勉強部屋(名古屋)で登壇しました

2014年8月30日(土)第33回DTPの勉強部屋(名古屋)勉強会にて、当研究会の加納と的場が登壇しました。


これまでデザイン事務所での勤務経験がなく、本や資料での学習や、セミナー、インタビューなどと現場での実務のみで、タイポグラフィ技法を培った2人の話は内容が偏っていたり、違う意見の人は少なくなかったとは思いますが、概ね好評だったようでほっとしています。「技法書にあまり載っていない話をしたい」という目的はある程度達成できたと思います。書籍組版の仕事が中心の方は色々と難しい問題はあるかもしれませんが、グラフィックデザインにおいては「合成フォント」は是非活用して欲しい機能です。時間配分の関係から、一部のパートが省略されたり、練習不足だったりでお見苦しい点などもありました。省略された部分も含まれた、当日のスライドをPDFデータにて公開しますので、興味のある方は読んでみてください。



上記PDFデータは「名古屋DTP勉強部屋」ブログにもアップされます。

※2016年2月追記
スライドデータ「明日からすぐ使える、タイポグラフィ技法」の44–45ページに「合成フォントでは異体字が出ない」との記述がありますが、これはIllustrator(–CC2015まで確認)のことで、InDesignでは切替ができます。異体字に限らず、タイポグラフィの品質にこだわる場合は、InDesignの使用を推奨します。

当日は、当研究会の話だけでなく、東京から来られた博報堂の小杉幸一さんのお話しもあり、個人的に自分が一番欠けている「アイデア」の考え方のお話しが中心で、非常に勉強になりました。当日の様子は近日中に「名古屋DTP勉強部屋」ブログにアップされると思いますので、そちらもご覧下さい。


9.02.2014

なの帳 PDFデータ

お待たせしてしまいましたが、「なの帳」のPDFデータを公開いたします。2014年6月の「なの帳」セミナーに来られなかった方で、興味のある方は是非ダウンロードして組み立ててみて下さい。

〈なの帳制作で用意するもの〉
本文:A4の用紙×各1枚(厚さ:コピー用紙程度)
表紙:A4の用紙×各1枚(厚さ:四六判100kg程度)
カッターナイフ、カッターマット

※表紙の用紙はお好みで、いろいろ試してみると楽しいです。

◉なの帳・組継ぎ本 作り方説明書 【 ダウンロード 】
◉なの帳 明朝体編 【 ダウンロード 】
◉なの帳 ゴシック体編 【 ダウンロード 】

「なの帳」データの1-2ページ目は、オモテ/ウラになりますので、両面印刷してください。

各書体の解説は今後のエントリをお待ち下さい。


[追記]
9月2日公開のPDFデータの一部に間違いがありました。

「明朝編」「ゴシック編」それぞれ3ページ目
〈誤〉「谷折り」→〈正〉「山折り」

訂正の上、お詫びいたします。
9月2日 21:46

8.24.2014

DTP勉強部屋(名古屋)に登壇します

すでに発表されていますが、8月30日(土)の「DTP勉強部屋」(名古屋)に加納と的場が登壇します。内容は「明日からすぐに使える、タイポグラフィ技法」として、特定の師匠をもたない我々が、独自に資料を収集しながら現場で培った、「現場に即した」「効果の出る」タイポグラフィ技法の数々を紹介いたします。

また、本などでは読めない「このフォントの欠点はここだ!」「フォントの欠点を補うためのおすすめ合成フォント」「フォント購入の予算がない場合や、これからタイポグラフィを始めたい方向けのメーカーの垣根を越えたおすすめスタートパック」など、「ここだけの話」もお話しします。

「スターデザイナーによる派手な仕事紹介」はありませんが、これを聞けば必ず明日からタイポグラフィの実力がアップする内容になると思います。

現時点でまだ申込み可能のようなので、この機会に是非が参加を。
http://study-room.info/dtp/



8.21.2014

第1回セミナー「なの帳をつくって書体を学ぼう」終了レポート

2014年6月15日(日)、日本語デザイン研究会[中部]の第1回セミナーとして「『なの帳』をつくって書体を学ぼう」を実施しました。会場はレクサス高岳。

 ◉準備にあたって
これまで、名古屋・中部地区ではタイポグラフィに関するセミナーは、本当に少なかったため、この地区でタイポグラフィ関連セミナーへの、需要がどれくらいあるのかが見当がつきにくく、内容面でも初心者向けか、プロ向けにすればよいのか迷いました。今回は『なの帳』という素材を活かして、「組継ぎ本」の紹介と、初心者向けの書体解説ということでセミナーを企画しました。これなら、プロの方でも「組継ぎ本」という名古屋ではあまり紹介されてこなかった製本方法がが学べるので、収穫がゼロと言うことはないだろうと考えました。

フライヤーを作って、名古屋DTP勉強部屋や愛知県内のデザイン系の教育機関に配布したり、ブログやSNSで募集を募ったところ、愛知県外からの参加者もあり、当初予定していた20人という定員をオーバーする申込みで、うれしい驚きでした。


 ◉当日の様子
若干のキャンセル者が出たものの、25名の方に参加していただけました。参加者は豆本が好きな人、DTP関連の仕事の方、本格的にタイポグラフィを実践されているデザイナー、まったく別の仕事の方などバラエティに富んだ集まりとなりました。

第1部は松下さんによる、「組継ぎ本・なの帳制作」講座。松下さんは、日頃から豆本の講師をされているだけあり、複雑な組継ぎ本の解説もわかりやすく、スムーズに進行。参加者のみなさんは、やはりものを作ることが好きな方ばかりのようで、真剣な様子で制作に打ち込んでいました。途中、制作が上手くいかない方のフォローをしつつ、全員が無事に「なの帳」を完成させることができました。

会場として使用させていただいたレクサス高岳

セミナーの様子

第2部は私と的場さんによる「なの帳」に掲載された書体の解説。「組継ぎ本」形式で組み立てられる組見本を使用しながら、一つ一つの書体の基本的な解説と、それぞれの個人的な使用感・感想を交えつつ、進行しました。時間をオーバーしてしまい、全ての書体の解説が出来なかったことが心残りです。


 ◉ミニ懇親会
第2部終了後、せっかくなのでミニ懇親会という形で、会場内で名刺交換などを行いました。来場者の方には「よくぞ名古屋でやってくれた」という感想や、「楽しかった」というお言葉をいただき、開催してよかったと思いました。提出していただいたアンケートを読みつつ、次回の企画はもっとよいものにしたい、と考えています。

今後、名古屋で文字について語れる「場」をつくる第一歩となったと思います。


 ◉ダウンロードデータ
遠方で参加が難しかった方や、予定が合わなかった方のために「なの帳」PDFデータと組見本帳を近日中に公開いたします。もうしばらくお待ち下さい。

7.21.2014

既に持っているフォントを、より美しく

こんにちは、的場仁利です。今回は、合成フォントによる、見やすく、美しいフォント、NM-ACUを試作しましたので、シェアさせていただきます。

フォントを取り巻く状況

フォントを取り巻く状況は、パソコンの普及やソフトウェアビジネスの変化の中で、少しずつ良くなっています。フォントワークスのLETS(2002年)やMORISAWA PASSPORT(2005年)等の全てのフォントが使える年間契約の登場、Windows 8.1とMac OS X Mavericks(共に2013年)に游明朝と游ゴシックがバンドルされたこと、2014年7月16日にアドビとGoogle等によるオープンソースフォントファミリーSource Han Sans/Noto Sans CJKがリリースされたこと等々、たくさんのポジティブな話題があります。
 しかし、誰もが年間プランに入る予算があるわけではないですし、バンドルフォントや無償のフォントは万能ではなく、数も多くありません。そしてフォントベンダーの感覚とデザイナーの感覚にはずれがあるということもあるのではないでしょうか。

内容表示のためのフォントがない!?

私が仕事をする中で、商品の内容表示(一括表示)を作ることがあります。私が扱う商品は、商品自体が小さなサイズのものが多いため、それに伴い内容表示も小さく、法定最低文字サイズの5.5ptにしなくてはならないこともままあります。 このような場合を見越して、私は小級数でもつぶれにくいヒラギノUD角ゴFをベースにした合成フォントを使っていました。
このフォントは、つぶれにくいヒラギノ角ゴシックの漢字に、ゴナ系の仮名と、UD系=Frutiger系の英数字が組み合わされたもので、つぶれにくいだけでなく、モダンでカッコいいデザインで気に入って使っていました。 しかし、ある時このフォントをお持ちでない方とお仕事をご一緒する場面に遭遇しました。この仕事は手早く終わらせたい案件であったため、わざわざフォントを買っていただくことも、こちらで購入してお渡しすることも難しい状況でした。
バンドルフォントや、他の似たようなものでお値打ちなものをいろいろと探したのですが、どれも決め手に欠けるため、少し発想を変えようと思い、このことを加納佑輔さんにも一緒に考えてもらいました。
そうしたところ色々とアイデアが広がり、最終的には、我々は合成フォントのヘビーユーザーなので、バンドルフォントを組み合わせることでなんとかならないだろうかという話になりました。そしてさらに、多くの人が既に持っているフォントをより美しく使うことができるのであれば、多くの人とお仕事を共有できるというアイデアにまで広がりました。

バンドルフォントによる、見やすく、美しい合成フォント

このような経緯から生まれた企画を、次の内容で合成フォントに設計しました。

◎ゴシック体、明朝体共通
用途としては、グラフィックデザイン全般を想定。モダン系のビジュアルにおいて、見出しから、本文まで幅広く対応。アプリケーションは、Adobe InDesign CS6で作成。 フォント名は、日本語デザイン研究会の活動にご協力いただいている松井ゆりさんとブレインストーミングをしてNM-ACUと命名。

◎ゴシック体版
[漢字]つぶれにくく、美しい、ヒラギノ角ゴシック(Mac OS Xバンドル、MORISAWA PASSPORT収録)。
[かな]も自然なデザインのヒラギノ角ゴシック。
[全角記号][半角欧文][半角数字]は、Frutiger系、Myriad系の小塚ゴシック(Adobeアプリケーションにバンドル)。
[全角約物]は、ウエイトが上がっても括弧類が太くならない明朝系で、かぎ括弧の大きさが適度な小塚明朝(Adobeアプリケーションにバンドル)。
様々な仕事で利用することを考え、全角英数字、丸付き数字、囲み数字、単位等々もできるだけ全て同じデザインの文字が表示されるようにする。

◎明朝体版
現代の日本語の文字は明朝体が基本なので、明朝体版も用意する。
[漢字]つぶれにくく、美しい、ヒラギノ明朝(Mac OS Xバンドル、MORISAWA PASSPORT収録)。
[かな]も自然なヒラギノ明朝。
[全角約物][全角記号]は、自然なデザインの小塚明朝(Adobeアプリケーションにバンドル)。
[半角欧文][半角数字]は、トランジショナル・モダンなAdobe Caslon(Adobeアプリケーションにバンドル)。全角英数字と半角英数字のデザインがゴシック体版ほどマッチしないが、使用頻度の高い半角英数字部分の自然さ、カッコよさを基準に選択。そのためOpenType機能の欧文イタリックが使えない等の制限があり。

合成フォントファミリーNM-ACUは、上記の特徴を持った合成フォントで、現在InDesign版のみです。今後Illustrator版も作成し、InDesignとIllustratorのどちらでも使用できるIllustrator版で正式リリースとしたいと考えていることもあり、テスト版としてダウンロードできるようにします。


フォントのイメージと比較

約物・記号類で
デフォルトから特別に変更したもの


NM-ACUフォント2014年7月21日現在のラインナップ

◎JIS2004字形対応版
⇒ https://drive.google.com/file/d/0B2Aac8b8V5_5YkxZY0UwYldzNms/edit?usp=sharing
ゴシック体
NM-ACU-Sans-ProN-W3
NM-ACU-Sans-ProN-W6
NM-ACU-Sans-StdN-W8

明朝体
NM-ACU-Serif-ProN-W3
NM-ACU-Serif-ProN-W6

◎JIS90字形対応版
⇒ https://drive.google.com/file/d/0B2Aac8b8V5_5VTA5blQwLVNmems/edit?usp=sharing
ゴシック体
NM-ACU-Sans-Pro-W3
NM-ACU-Sans-Pro-W6
NM-ACU-Sans-Std-W8

明朝体
NM-ACU-Serif-Pro-W3
NM-ACU-Serif-Pro-W6


協力のお願い

この合成フォントファミリーNM-ACUは、例外文字を多数登録するため、例外文字が複数登録でき、コピーペーストでも登録できる、InDesign(CS6)で作成しました。作りやすさを優先してInDesignで作成したのですが、アプリケーションのユーザーの数としてはIllustratorが圧倒的に多いと思われます。この合成フォントをより多くの人に使っていただけるようIllustrator化したいと考えていますが、私の知り得る方法では、Illustratorでの合成フォントの例外文字の登録は1文字ずつしかできないため手に負えないと思っています。
InDesignからIllustratorへ合成フォントファイル書き出す方法、もしくは、スクリプトや何らかの方法でIllustratorで例外文字を効率的に登録する方法お持ちの方の協力を募ります。件名を「NM-ACUの件」として、的場仁利(nori.matobaアットマークgmail.com)までご連絡ください。

6.16.2014

第1回セミナー、無事終了しました

【第1回セミナー終了】日本語デザイン研究会[中部]第1回セミナー「『なの帳』をつくって書体を学ぼう」が無事終了しました。

名古屋で文字関連のイベントが皆無だったので「無いなら自分たちでやるしかない」と考え、思い切って開催を決意したのが数ヶ月前。当初は「最初は5人くらいしか集まらないかな」と思っていましたが、蓋を開けてみれば定員を超える申込みがあり、うれしい驚きでした。

時間配分が上手くいかなかったり、書体の解説については、初心者には若干難しく、プロの方には物足りない内容だったかな、と反省点もありますが、まずは来て頂いた方、協力して頂いたすべての皆様に感謝いたします。

セミナーの詳しい様子などは、後日アップします。



5.15.2014

第1回セミナー開催決定・申込み受付開始

日本語デザイン研究会[中部]の第1回目のセミナー開催が
決まりました。二部構成で、『なの帳』づくりと書体を
学ぶ内容です。
新人デザイナーや書体や本に興味のある方にお勧めです。

フライヤーPDFデータ
https://dl.dropboxusercontent.com/u/68302667/nano_001.pdf


◉セミナー概要

[内容]
第1部『なの帳』をつくろう 講師:松下寛子
ミニチュア書体見本帳『なの帳』を作りながら、
「組継ぎ本」の技法を学ぶことができるワークショップ。
第2部『なの帳』で学ぼう 講師:的場仁利・加納佑輔
『なの帳』掲載の書体について、対談形式で1つずつ解説します。

[定員]
先着20名様 ※誰でも参加していただけます。

[会費]
1,000円(材料費込み)

[会場]
レクサス高岳 名古屋市東区東桜2丁目1番1号
名古屋地下鉄桜通線「高岳駅」4番出口よりすぐ

[日時]
6月15日(日) 13時—16時
第1部 13時—14時 第2部 14時15分—16時

[参加方法]
お名前、当日ご連絡のつきやすい電話番号、
メールアドレスをご記載の上、件名を「なの帳セミナー参加希望」
とし、メールを下記アドレスまで送信して下さい。
1日以内に返信メールをさせていただきます。

※当日はセミナー修了後、懇親会を行う予定です。
懇親会参加希望の方は「懇親会参加」とご記載下さい。

※当日は定規(30㎝程度)、カッターナイフ、
カッターマット(A4程度)をお持ち下さい。

※メールの返信がない場合は、担当のtwitterまでDMを
送って下さい。

[主催]
日本語デザイン研究会[中部]

[申込み・お問合せ]
nihongo.chubu@gmail.com [担当]加納 (twitter:estosdr)


3.19.2014

PLATEAU スパイラルに出品

本日より、東京・南青山のスパイラルガーデンで開催される「神戸芸術工科大学2014年ビジュアルデザイン展 PLATEAU スパイラル」に当研究会の『なの帳』が展示されます。是非足を運んでみてください。



3.07.2014

松下寛子さん
「約100人のブックカバー展」に入選

日本語デザイン研究会のメンバーで豆本作家・アーティストの松下寛子(hokori)さんが渋谷パルコの「約100人のブックカバー展」に入選されました。
展覧会は渋谷PARCOで2014年3月12日(水)から26日(水)まで開催されますので、お近くにお出かけの際はお立ち寄りくださいませ。

■約100人のブックカバー展
日時 2014年3月12日(水)―26日(水)
   午前10時~午後9時(最終日午後5時まで)
場所 渋谷PARCO PART1 B1階 ロゴスギャラリー
住所 〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1
電話 03-3496-1287
営業時間 午前10時―午後9時

http://bookcoverten.com/

2.27.2014

組継ぎ豆本『なの帳』 作りました


◉『なの帳』―世界一小さい日本語書体見本帳

前エントリでご紹介した「組継ぎ豆本」の「中身のある完成形」を作りました。当研究会ならではと思えるような中身を考えたところ、「書体見本帳」というかたちになりました。「なの帳」は文字通りひらがなの「な」と「の」だけの書体見本帳です。書体の個性は「な」と「の」に一番良くあらわれると言われています。ページをめくって比べていただくと、違いがよくわかると思います。あと豆本なので「小さい」→「nano」の連想も含まれています。


なの帳【明朝体10選】【ゴシック体10選】
今後も続刊予定です。

◉制作の背景

「名古屋には文字にこだわるデザイナーが少ない」という話をよく聞きます。これには名古屋に出版社(特に文芸系)がすくない、などこの土地特有の理由がいろいろとあるようですが、グラフィックデザインにおいて文字をおろそかにする、ということはありえないことです。
現在、名古屋には文字について勉強できるオープンなセミナーは皆無と言ってもよいでしょう。若いデザイナーに聞くと、デザインの専門学校や大学でも文字についてはあまり教えていない、という話もよく耳にしました。十数年前に私が通っていた専門学校でもほとんど教えていませんでした。
これは由々しき事態です。すくなくとも、若いデザイナーが文字に興味をもち、最低限の文字の知識を勉強できるきっかけはつくらなくてはいけないと思いました。

「なの帳」は若いデザイナーや文字の初心者に向けて、わたしたちが「知ってほしい書体」を紹介するものです。あくまで「わたしたちが選ぶ」書体なので、「これ以外はダメ」ということはありませんし、好みによる多少の偏りはあると思います。しかし知っておいて損はない書体ですし、使用することで「格好いい・読みやすい」デザインを作れる可能性は格段にアップします。
特に、合成フォントで使用する「かな書体」は積極的に使ってほしいと思います。

「なの帳」は「本」です。本は資料書類などとちがって、いろいろな場所にひとり歩きします。
現在、初夏頃にわたしたちが主催する勉強会で、参加者がこの本を自分の手で組み立てて、持ち帰っていただくことを考えています。勉強会に来られない方には、PDFデータをダウンロードして自分で組み立てることができるように、準備をしています。「組継ぎ本」は特別な道具が必要ありません。
「なの帳」は欲しい人が誰でも、自分のために組み立てることができる書体見本帳をめざしています。

本書を、一人でも多くの文字に興味を持つ方に手にとっていただけることを願っています。本の中身や勉強会の予定などについては、本ブログで随時発表していきます。

 制作
 企画・デザイン:加納佑輔
 造本:hokori
 書体選定:的場仁利
 写植協力:亮月写植室
 組継ぎ本考案:前田年昭

組継ぎ本に関しては前エントリおよび前田年昭氏のラインラボ「書庫:DTPの技術とワークフローを考える」をご参照ください。