9.17.2014

合成フォントを身近にする、AcuCase Project

こんにちは的場仁利です。今回は、AcuCase Project(アキュケースプロジェクト)を発表させていただきます。また、合成フォントファイルAcu SansAcu SerifIllustrator用簡易版を掲載します。

2014721日の投稿「既に持っているフォントを、より美しく」へのレスポンスや日本語デザイン研究会の活動を通して、Adobe InDesignIllustrator等の機能である合成フォントがそもそもプロの間であまり使われていないことが分かってきました。

日本の文字は、漢字、平仮名、片仮名、英数字、約物・記号類といった複数の要素から構成されています。これらの要素の組み合わせを仕事によって模索することが日本語を扱うデザインにおいてとても大切なことです。とはいうものの、文章の中の一部の文字を選択して、フォントを変更することは手間がかかり、間違いの原因にもなるため現実的ではありません。したがって、合成フォントの機能を使わないで良い仕事をすることはできないと言っても過言ではありません。

そこで、日本語デザイン研究会[中部]では、合成フォントに関する発信を「AcuCase Project」(アキュケースプロジェクト)と名前を冠して、継続的に取り組むことにしました。
名前の由来は、どなたでも使っていただけることを意味するAnyone can use の頭文字から取ったAcuと、活字ケースを意味するCaseを合わせたもので「みんなのための活字箱」という思いを込めています。

今後、合成フォントファイルAcu Sans(アキュサンズ)Acu Serif(アキュセリフ)Illustrator用正式版、その他の組み合わせの合成フォントファイルの配布を中心に、合成フォントに関する発信を行います。みなさんの合成フォントへのはじめの一歩になれると嬉しいです。

◉ Acu SansAcu SerifIllustrator用簡易版【ダウンロード

※簡易版のため、InDesign版のように細かい約物・記号類まで調整されていません
※現代の文字使用を考えて、Nありのみにしました

〈合成フォントファイルご利用上の注意〉
・合成フォントファイルをはじめに開き、次に合成フォントを使って作成したい書類を開いて作業してください
・ご利用に際しては各工程でテストの上運用してください。事故が起きた場合の責任は負いかねます
・この合成フォントファイルは、改変しないでください
・再配布はお断りいたします

9.05.2014

DTPの勉強部屋(名古屋)で登壇しました

2014年8月30日(土)第33回DTPの勉強部屋(名古屋)勉強会にて、当研究会の加納と的場が登壇しました。


これまでデザイン事務所での勤務経験がなく、本や資料での学習や、セミナー、インタビューなどと現場での実務のみで、タイポグラフィ技法を培った2人の話は内容が偏っていたり、違う意見の人は少なくなかったとは思いますが、概ね好評だったようでほっとしています。「技法書にあまり載っていない話をしたい」という目的はある程度達成できたと思います。書籍組版の仕事が中心の方は色々と難しい問題はあるかもしれませんが、グラフィックデザインにおいては「合成フォント」は是非活用して欲しい機能です。時間配分の関係から、一部のパートが省略されたり、練習不足だったりでお見苦しい点などもありました。省略された部分も含まれた、当日のスライドをPDFデータにて公開しますので、興味のある方は読んでみてください。



上記PDFデータは「名古屋DTP勉強部屋」ブログにもアップされます。

※2016年2月追記
スライドデータ「明日からすぐ使える、タイポグラフィ技法」の44–45ページに「合成フォントでは異体字が出ない」との記述がありますが、これはIllustrator(–CC2015まで確認)のことで、InDesignでは切替ができます。異体字に限らず、タイポグラフィの品質にこだわる場合は、InDesignの使用を推奨します。

当日は、当研究会の話だけでなく、東京から来られた博報堂の小杉幸一さんのお話しもあり、個人的に自分が一番欠けている「アイデア」の考え方のお話しが中心で、非常に勉強になりました。当日の様子は近日中に「名古屋DTP勉強部屋」ブログにアップされると思いますので、そちらもご覧下さい。


9.02.2014

なの帳 PDFデータ

お待たせしてしまいましたが、「なの帳」のPDFデータを公開いたします。2014年6月の「なの帳」セミナーに来られなかった方で、興味のある方は是非ダウンロードして組み立ててみて下さい。

〈なの帳制作で用意するもの〉
本文:A4の用紙×各1枚(厚さ:コピー用紙程度)
表紙:A4の用紙×各1枚(厚さ:四六判100kg程度)
カッターナイフ、カッターマット

※表紙の用紙はお好みで、いろいろ試してみると楽しいです。

◉なの帳・組継ぎ本 作り方説明書 【 ダウンロード 】
◉なの帳 明朝体編 【 ダウンロード 】
◉なの帳 ゴシック体編 【 ダウンロード 】

「なの帳」データの1-2ページ目は、オモテ/ウラになりますので、両面印刷してください。

各書体の解説は今後のエントリをお待ち下さい。


[追記]
9月2日公開のPDFデータの一部に間違いがありました。

「明朝編」「ゴシック編」それぞれ3ページ目
〈誤〉「谷折り」→〈正〉「山折り」

訂正の上、お詫びいたします。
9月2日 21:46